D2Cに適したブランドデジタルマーケティング戦略とは?
コラム記事
2021/11/22

スマートフォンの普及やSNSの浸透に加え、コロナ禍の影響もあり、あらゆるビジネスにおいてデジタルマーケティングの重要性が増しています。自ら企画した商品を、業者を介さず直接消費者に販売するD2Cブランドにおいても同様です。
ただ、ひと口に「デジタルマーケティング」といっても、さまざまな手法があり、どれから手をつけてよいかわからないという方も多いでしょう。この記事では、ブランドタイプ別に異なる効果的なデジタルマーケティング戦略、D2Cビジネスにおけるデジタルマーケティングのポイントを解説します。
●ブランドタイプ別にみるデジタルマーケティング戦略
ここではブランドのタイプを以下の3つに分類し、それぞれに最適なデジタルマーケティングの手法を解説します。
1.認知型ブランド
認知型はすでに知名度があり、実店舗を多数持っているブランドです。ユニクロやジンズなどがこのタイプに該当します。
全国に実店舗を有している強みを活かし、幅広い層をターゲットとして来店を促したり、アプリの開発をしたりするマーケティング施策が適しています。
2.セレクトショップブランド
セレクトショップブランドは、認知型と同じく実店舗を展開していますが、セレクトアイテムも販売していることが特徴です。
アパレルのビームス、ユナイテッドアローズなどが代表的で、顧客がスタッフにつくケースが多く、来店を促進するマーケティング戦略は認知型よりもパーソナライズされています。
またECと実店舗の両方の利用をしてもらうことで、ブランドのコンセプトにマッチした顧客と接点を複数持つことができるほか、在庫の一元化が可能です。
3.D2Cブランド
消費者に直接商品を販売するD2C(Direct to Consumer)ブランドでは、EC販売を基本として、ニッチな市場で展開していることが多いです。
国内では小柄な女性のためのアパレルブランド「コヒナ」、オンラインでビジネスウェアのオーダーができる「ファブリックトーキョー」などのブランドがあります。
実店舗がないD2Cブランドは、顧客とのオンライン上でのコミュニケーションを重視し、SNSを通して顧客と双方向にコミュニケーションをとることでつながりを深めています。顧客データやフィードバックを直接得てマーケティングに活用しやすいことが強みです。
●D2Cを成功に導くマーケティングのポイントとは?
D2Cブランドにおけるデジタルマーケティングのポイントをいくつかご紹介します。
1.ターゲット顧客の共感を呼ぶブランドストーリー
D2Cブランドが成長するために不可欠なのが、顧客が共感するブランドストーリーを用いたマーケティングです。
D2Cが注目されている理由として、消費者の購入行動の基準が、所有に価値を求める「モノ消費」から、価値観への共感から消費行動を起こす「イミ消費」に移行していることが大きいと考えられます。商品のデザイン・機能だけでなく、商品誕生のきっかけや作り手の想いといったストーリーへの共感が、消費者を惹きつけて購入に至っているといえます。
もちろん共感を得られるブランドストーリーを構築するためには、ターゲット層について正確に把握できていることが前提となります。D2Cではニッチなニーズに応えるため、明確なコンセプトを掲げる必要があるでしょう。
また、インターネット上では莫大な数の商品と比較されることから、自社ブランドのストーリーをターゲット層に認知してもらい、競合と差別化することが重要です。
2.SNSを最大に活用して顧客との関係を築く
昨今あらゆる企業が取り組んでいるSNSマーケティングですが、D2Cでは顧客との親密なコミュニケーションが重視されるため、SNSを積極的に活用しましょう。
SNSマーケティングは広告と比較して、継続的に顧客と接点を持てたり、顧客自らが発信者となってくれたりするメリットがあります。ブランド力に頼れないD2C企業は、SNSマーケティングを駆使することでファンを獲得していく戦略が適しています。
SNSマーケティングといえば、インフルエンサーを起用した新規顧客の獲得に焦点があたりがちですが、D2Cブランドが長期的に成功するためには、顧客の視点から有益な情報を提供し、つながりを強めていくことが欠かせません。
ターゲットとなる消費者に的確にアプローチするため、自社のブランドや商品、ユーザーの属性などから最適なSNSプラットフォームを選ぶことも大切です。
3.得られたデータから顧客体験を向上させる
デジタルマーケティングを、集客だけでなく、顧客体験の向上につなげることも重要です。
オンライン販売の場合、顧客が商品を検討し、購入、利用する一連の体験をフォローしやすいため、それぞれの接点での顧客体験を追求することでD2Cブランドの価値を高められます。
・どのようなタイミングで購入または離脱したのか
・どのような顧客が利用後にリピートしているか
などのデータを活かし、より良い顧客体験を届けることで、自社D2Cブランドに特別な信頼感を抱いてもらうことが可能です。
もちろん商品開発自体にもデータを活用できます。より顧客のニーズを反映させた商品に改良したり、開発した商品を少量販売してテスすることで、素早く最小限のロスで顧客にマッチした商品を開発したりできることはD2Cならではのメリットです。
オンラインが主戦場のD2Cにおいては、ECサイトやSNSプラットフォームから顧客体験に関するデータの収集が容易だからこそ、このデータを有効に活用しましょう。
●D2Cに適したマーケティングでブランドを強化しよう
デジタルマーケティングによって、D2Cのような新しいブランドがこれまでより短期間で成長することが可能になりました。特にSNSは、D2Cの強みを活かせるマーケティングツールといえます。
SNSを利用し、魅力的なストーリーをターゲット層に的確に届けること、より良い顧客体験を追求することが、D2Cブランドの成功につながるでしょう。
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