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ウィズコロナ・アフターコロナを経て化粧品業界はどう変わるのか?

コラム記事

2021/12/21

コロナ禍における影響は消費の面だけではなく、商材の手配に関わる貿易面にも大きな影響を及ぼしました。


それにより多くの業界が打撃を受ける中、国内生産が進んでいた化粧品業界では「供給」という点においては軽傷で済んでいます。


しかし、「市場規模」という点においては化粧品業界もまた深刻な事態に直面していました。


 


そこで今回は、化粧品業界がおかれる現状と今後起こりうる変化について、株式会社矢野経済研究所の『2020年版 化粧品マーケティング総鑑』を元に解説していきます。


 


化粧品業界の現状


まずは化粧品業界の状況を、経済産業省による「新型コロナウイルス禍で変化する国内化粧品産業」を元に解説します。


 


コロナ禍の影響により訪日外国人によるインバウンド消費は激減しました。


しかし輸出という面で売り上げは増加しており、海外からの日本の化粧品需要は継続していることがわかります。


 


化粧品のカテゴリーとしては、マスクの着用や在宅勤務の増加により、口紅やネイル需要が減少、これらは海外への輸出需要も減少しています。


一方、洗顔やスキンケア用品については、化粧品全体の出荷量が落ちる中、輸出額は増加しており、基礎化粧品における海外需要はコロナ禍でも強い傾向にあったとうかがえます。


 


化粧品業界では、過去大きな経済危機のたびに、ドクターズコスメの台頭・M&Aの活性化・オーガニックコスメの市場拡大・中国進出の加速など、大きな変革を伴ってきました。


これまで化粧品業界に起こってきた流れを汲むと、今回のウィズコロナ・アフターコロナにおいても、大きな変化があると見られています。


 


●化粧品業界で予測される変化/デジタル化


予測される変化のひとつとして、化粧品業界全体でのデジタル化の加速が挙げられます。


では、どのようなフェーズでデジタル化が起こるのか詳しく見ていきましょう。


 


1.生産・調達面


工場をはじめとする生産現場においては、現地に赴かなければ状況が把握できないのが現状です。


そのため、製造現場に勤務する人だけでなく生産管理担当者も、コロナ禍の出社が必要になっていました。


しかし、少なからず出社を制限されていたことから、生産現場の対応力低下が課題となっていました。


 


このような状況を改善するためには、生産現場をデジタル化し、現地に行かなくとも状況を把握できるようにしておかなければなりません。


そのため、今後は工場と本社間、および関連企業間でのデジタルな情報共有が加速することが予測されています。


 


2.ECの進化


コロナ禍を経て消費行動のデジタル化が進み、化粧品の購買においてもECやD2Cなどインターネット上での消費が増加しました。


このようなECの進化はアフターコロナでも継続すると見られています。


 


またECでも実店舗のようなリアル体験を求めるニーズが強まっていることから、ライブコマース(インターネット上で動画をライブ配信し、そこからECサイトへ誘導してそのままインターネット上で商品を購入してもらうという販売手法)やバーチャルストアなどがこれから台頭してくると見られています。


ECが加速していく中で、実店舗とECでの解離をなくすためのオムニチャネル化も同時に重要な観点となってくるでしょう。


 


3.店舗のデジタル化


化粧品業界においては、対面接客を強みとするブランドも少なくありません。


しかし、ウィズコロナ・アフターコロナでは対面によるカウンセリングや販売の難易度が格段に上がってしまいました。


 


特に、対面接客に付加価値をおいていた高価格帯ブランドなどでは、デジタルを組み入れた付加価値の付け方をより進化させていく必要が出てきます。


カウンセリングやサンプリングなど、化粧品ならではの対応をいかにオンライン上で再現できるかが重要なポイントとなってくるようです。


また、店舗はあるが販売員はおかないショールーミングストアも施策のひとつとして考えられています。




●化粧品業界で予測される変化/新市場・新商品の発展


もうひとつの変化として、ウィズコロナ・アフターコロナでは化粧品業界に新しい市場や商品が創出されていくことが予測されています。


 


1.マイクロインフルエンサーの台頭


口コミなどユーザー評価が特に重視される化粧品業界では、SNSなどのインフルエンサーマーケティングが活発に行われています。


 


近年では特にマイクロインフルエンサー(比較的フォロワーの少ないインフルエンサーで、フォロワーとのエンゲージメントが強いと言われている)マーケティングが活発で、マーケテイング戦略に組み込む企業も少なくありません。


使用感のレビューや使い方など、動画やSNSならではの戦略が今後も注目されていきそうです。


 


2.D2Cの戦略の増加


製造者が直接ユーザーとやりとりし、インターネット上で販売まで全てを完結するD2Cが増加しています。


化粧品業界とD2Cは相性もよく、D2Cで売り上げを伸ばすブランドも増えてきました。


D2Cでは消費者もすべての工程をインターネット上で完結できることから、特に男性化粧品の市場参入が増加し始めています。


 


消費者の情報収集がテレビや雑誌からウェブ上へと移行したことでD2Cが注目を集めるようになり、そしてコロナ禍を経て今後もさらに加速することが予測されています。


 


3.マスクを前提とした商品開発


日常生活のマスク着用が必須となったことから、化粧品のアイテムごとに売れ行きのばらつきが見られました。


口元よりも目元へのメイクを重視するようになり、オンライン画面を通した肌の見え方を考えた配色セレクトなど、これまでと選ぶ観点が変化しています。


 


そのため、マスクをつけることを考慮したメイクアップ商品や、肌荒れ対策の化粧品など新たな商品開発が進められています。


そして、これらの新しい商品開発は、コロナ禍の変化に合わせ今後も加速していくことが推測されます。




●まとめ


コロナ禍の影響により、化粧品業界も他業界同様苦しい状況に置かれています。


しかし、ウィズコロナ・アフターコロナを見据え新たな化粧品の価値を作ることで、今後の国内・海外需要に対してより市場規模を拡大させていけるでしょう。


 


これまでも市場の変化に敏感に対応してきた化粧品業界が、これらからどのような変革を起こしていくのか、今後の動きに注目です。


 


 

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