Z世代とは? - 最近よく聞くマーケティング用語の解説 と 攻略方法
コラム記事
2022/01/21

今、マーケティング界隈を中心に「Z世代」が注目を集めています。
この記事の読者の方には、Z世代くらいもう知っているよと思う方もいらっしゃるかと思います。
またメディアでこの言葉をよく目にするものの最近の若い世代の人のことなのだろうな程度で理解されている方もいらっしゃると思います。
マーケティングを実施するにあたり、STP分析を行うことが多々あります。
STP分析とは、Segmentation(分類)、Target(ターゲット)、Positoning(立ち位置)の略です。
簡単いえば、マーケットを分解して特定の特徴を持ったグループに分類し、自社のプロダクトやサービスはどのグループをターゲットするか、ターゲットに対しての自社の最適な立ち位置のポジション分析していくマーケティング論で著名なフィリップ・コトラーの提唱する分析手法です。
前置きが長くなりましたが、「Z」世代とは、いわゆる世代をもとに作ったマーケティングのセグメンテーションの一つであるといえるでしょう。
それでは、Z世代とはどの世代を指しているのか、またなぜ「Z」なのか、どのような特徴を持っているのか本記事で解説を行っていきます。
Z世代の定義
現在幅広く耳にする「Z」世代という言葉ですが、概ね1990年代半ばから2010年代初頭あたりのどこかで生まれた世代と定義されている一方、厳密な定義はありません。
例えば、カナダ統計局の場合には1993年生まれ以降を、アメリカ心理学会の場合には1997年生まれ以降を指し、日本では、広く1996年から2015年の間に生まれた世代を指す言葉として用いられています。
Z世代の語源
それでは、Z世代とはどこからきた言葉なのでしょうか。ここでZ世代に先立ち実はX世代、Y世代という世代という用語があるのをご存じでしょうか。
X世代という言葉は実は、ダグラス・クープランドの著書『ジェネレーションX〜加速された文化のための物語たち』という小説に書かれた、ビジネス・エリートたちの拝金主義にうんざりし都会を逃げ出した男女三人が砂漠のバンガローで独立した暮らしを始め自分たちの人生の価値を発見する小説で使われ始めた言葉といわれています。
このX世代という言葉から派生し、Y世代、X世代という言葉が生まれたと考えられています。
X世代、Y世代、Z世代、それぞれの定義
それでは、X世代、Y世代、Z世代にはそれぞれどのような特徴があるのでしょうか。
下記にて簡単に解説します。
X世代
出生時期:1965~1979年ごろ
概要:
テレビの爆発的な普及が始まった時期に生まれ、ベトナム戦争、キューバ危機やヒッピー運動、また日本においては学生運動の時期を幼少期に過ごし、その後、ヒッピー運動の衰退とベトナム戦争の終結による「しらけムード」の中で10代を過ごした。
親世代の離婚率が上昇し始めた時期に子供世代を過ごしたため、親からの監督が少なくなり始めた世代とも言われる。
日本では「しらけ世代」「新人類」がX世代にあたるとされる。
Wikipediaを参考し記載
Y世代
出生時期:1980~1994年ごろ
概要:
ベトナム戦争終結後からベルリンの壁崩壊を経てアメリカ同時多発テロ事件前までの時代に生まれた世代である。
第二次世界大戦の終結後に生まれたベビーブーマーの子供世代であり、「親が2人とも第二次大戦後生まれ」の子供たちである。
日常生活のデジタル化の初期段階からIT革命を体験した世代であり、アナログ的な手段に理解を示しながらもデジタルデバイスを好む傾向にある。
Web2.0時代が到来してからは、電子掲示板やブログ、Twitter、Instagramなどに積極的に参加し、オンラインを前提とした新しいカルチャーを形成して来た。
2000年(ミレニアル)前後に社会に出た世代のため「ミレニアル世代」といわれることもある。
Wikipediaより転用
Z世代
出生時期:1995~2017年ごろ
背景と特徴:
幼少期から“デジタルデバイス(機器)やインターネット、SNS含むソーシャルメディアの存在を前提とした生活”をしているデジタルネイティブ世代である。
生まれた時からインターネットに接続するための基本的な端末であるパソコンや携帯電話が既に存在しており、インターネットを利用し始めた頃にはADSLやCATVなどブロードバンドによる常時接続環境、SNS含むWeb 2.0、さらにスマートフォンが普及し、個人の情報発信が身近となっていた。
Wikipediaより転用
このようにZ世代とは、生まれ育った世代を、それぞれ特徴的な文化や背景などでそれぞれX、Y、Zとデモグラフィック(人口統計)にセグメント化した際の特定の世代のことを指します。
とりわけZ世代は、生まれた時からインターネットが当然のように存在し、SNSなどをはじめとしたインターネット技術と当然のように触れてきた「デジタルネイティブ」で「SNS」ネイティブな世代と言えるでしょう。
Z世代の特徴
それではこのような生まれたころよりインターネット技術に触れてきたZ世代のより詳細な特徴にはどのようなものがあるのでしょうか? いくつかの本章ではいくつかの観点に従い、Z世代の特徴を見ていきましょう。
1.当然テクノロジーに強いZ世代
Z世代は生まれたその瞬間からインターネットが家庭にあり、10代からスマートフォンがある環境で育ったため、デジタルネイティブといわれるZ世代は、幼いころから多くのデジタル機器に触れてきておりデジタル技術の素養が高い世代と言えるでしょう。
1世代前のY世代(ミレニアル)との違いは、単にインターネット、スマートフォン、ソーシャルメディアを目の当たりに下のみならず、こういったテクノロジーと様々な端末/データが密接につながったハイパーコネクテッドな世界しか知らない世代であるとも言われています。
幼いころからデジタル技術で情報を取得するのに慣れ親しんでいるZ世代は、様々なテクノロージーを横断的にPCやモバイルを通じマルチタスクに利用してきた世代で、テクノロジーを利用することに苦を感じない世代で多くの情報を複合的に見ているためか4D思考をする特徴があるといわれています。
4D思考とは、目に映る事(1D)だけではなくその背景(2D)が観え、問題点の把握と整理(3D)ができその項目について重要度と優先順位を付け指示判断行動できることを言います。
また、ソーシャルメディアの利用では、デジタルに痕跡を残すFacebookのような実名制のSNSよりもより匿名性が高いSNSを好み、情報の安全性を重視する傾向にあるといわれています。
一方で、マルチタスクに情報処理を迅速に行うゆえか、集中力の持続時間は非常に短く8秒といわれ、じっくり読む文章でのコミュニケーションよりも視覚を通じ直観的に理解できる絵文字によるコミュニケーションを好む世代といわれています。
2.保守的な消費性向で将来を見据える現実・実利主義者なZ世代
Z世代は2008年のリーマンショックに端を発する経済不況を経験した保守的な考えを持つX世代に育てられたため、不況の中で成長してきた過程を背景に、債務に保守的な見方を示し、早くから貯金をする傾向にある堅実な世代であるといわれています。また支出に関しては、禁欲的で無駄遣いを好まない一方で、伝統的な意思決定をする傾向にありキャリアや教育などを重視する堅実な世代といわれています。
このような性向により、車や家などのモノより個人的な経験・体験を重視する傾向にあるミレニアム世代に対して、金銭・教育・キャリアにおける成功やモノの所有を目指して真剣かつ懸命に取り組む傾向を持つのがZ世代であるとといわれています。
また、キャリアにおける成功を目指すZ世代では仕事での事業立ち上げ意識も高いのがこの世代であるといわれています。
3.社会意識が高くインタラクティブなZ世代
このようにテクノロジーのリテラシーが高く、堅実なZ世代ですが、若いころからインターネットやSNSを通じた社会問題を度々目にする機会も多いせいか、社会意識が高く、そして非常にインタラクティブな傾向があるといわれています。
活発にボランティア活動に参加するなど、集合意識が高くインターラクティブな世代であるといわれています。
きっとスマフォ片手に問題点を特定し、問題を調べたり、課題にに対してみんなでコミュニケーションしながらインターラクティブに解決してく性向にあるのかと筆者は推測しています。
Z世代の攻略方法は?
このようなZ世代ですが、日本においては10数パーセントのユーザであるものの次世代の購買力の主役となる存在です。
また、実はZ世代にアプローチするメリットが存在するためマーケティングのターゲットして必ず意識しておきたい層であるといえるでしょう。
それではいったいどのようにZ世代を攻略していけばよいのでしょうか。
Z世代攻略のポイント
ここでZ世代の攻略のポイントとして以下の3点があるといわれています。
- ダイレクトマーケティングが行いやすい
Z世代は生まれた時よりインターネットが周辺にありスマフォを使うのにも慣れ親しんでいる世代であることを前章で記載しました。このような世代のため、テレビに触れる機会は他の世代よりも低いといえるでしょう。そのため、マスメディアによるブランドロイヤリティの醸成がされにくく、むしろ普段見ているECサイトやSNSなどに影響を受ける傾向にあるといわれています。
ネットで買い物することに対しても抵抗感がないZ世代にはECの購買履歴や、SNSへの反応をもとに直接のコミュニケーションパスが開きやすく既存の流通を通さずとも、商品やサービスを紹介し購買してもらうことができる世代といえるでしょう。
そのため、D2Cなどによるブランド訴求も最も適切な層ということができます。
- 顧客生涯価値(Life Time Value)が高い
顧客生涯価値とは、特定の1人のユーザが生涯企業に対してもたらす利益のことを言います。特にZ世代の女性に多く見られる現象ですが、「推し活」という活動があります。一部ではZ世代女性の80%以上が何らかの推し活をしているといわれており、お気に入りの人やキャラクター、またブランドなどを積極的に推していく行動パターンがあります。例えばある特定の「推し」があるユーザは、推しのグッズを集中的に購買したり、イベントに参加する傾向にあります。
このように、特定のブランドやモノをひとたび気に入ると、購買頻度が上がり、かつアップセル・クロスセルが行いやすい層でもあるのです。
- ソーシャルメディアによる拡散力がある
近年のマーケティングではInstagramやTwitterなどSNSを通じた拡散を目論むプロモーションを取り入れることが多くなりました。
Z世代はソーシャルメディアにもっとも慣れ親しんでいる世代です。SNSで見た投稿がもととなる購買行動につながるケースも多く、また自ら買ったものを積極的にSNSに投稿する傾向にあります。
こういった特性を生かし、いわゆる「バズる」を狙ったマーケティングの設計が可能となることでしょう。
Z世代攻略に最適なSNSは?
このようにSNSを通じた「バズ」を期待できるZ世代ですがどのようなSNSを利用するのが最適なのでしょうか。
SNSというと、FacebookやTwitterを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、最近の若い世代では文字というよりも、画像や動画でメッセージを伝えられる媒体を好んで使っているといわれています。
そのため、Z世代攻略に適切なSNS媒体は、InstagramやYoutubeまたTikTokなどがあげられるでしょう。
アプローチの方法として、良いものをきちんと伝えるということに変わりはありませんが、シェアしたくなる画像や動画コンテンツを作成することを心掛けるのがよさそうです。
以前執筆した「SNSマーケティングでハイクオリティなブランディングを!SNSの活用法と成功事例」も是非ご参考ください。
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このように購買の中心となり、発信力もあるZ世代をうまく巻き込むことが今後のビジネスの成功につながるといえるでしょう。
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