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アップルのプライバシー規制強化からみるwebマーケティングの未来

コラム記事

2022/01/27

アップルは、これまでプライバシー保護機能強化に関するアップデートを繰り返し実施してきました。


それにより、SNSを中心としたモバイル広告市場に大きな影響が出ています。


 


本稿では、アップルのプライバシー規制強化に伴い、webマーケティングが今後どのように変容していくのかを考えていきます。


 


アップルのプライバシー規制強化とは


アップルでは、ブラウザとアプリの両方でトラッキング機能(ユーザーの行動を追跡する行為)を制限する仕組みを導入しており、ブラウザに対応するものはITP(Intelligent Tracking Prevention)、アプリに対応するものはATT(App Tracking Transparency)と呼ばれています。


 


 


1.ITPとは


ITPとは、アップルのOS上で起動されるブラウザのCookieを無効化する機能です。


Cookieとはトラッキングに活用される仕組みのひとつで、ユーザーがどのサイトを訪問したのかをブラウザ上に保存できるようになっています。


 


Cookieには「1st Party Cookie」と「3rd Party Cookie」があり、「1st Party Cookie」は自社サイトを訪問したユーザーの行動履歴で、Cookieの発行はサイトの運営者が行います。


一方「3rd Party Cookie」ではユーザーが複数のサイトを横断した行動履歴が確認でき、第三者がCookieを発行しています。


 


ITPにより、「1st Party Cookie」と「3rd Party Cookie」ではそれぞれ異なる制限が設けられました。


「1st Party Cookie」では、JavaScript由来のものは7日間で無効化、かつ広告経由であれば24時間で無効化されます。


一方「3rd Party Cookie」では、アップルのOS上で起動するブラウザにおいてはすべて即時無効化されるようになりました。


 


 


2.ATTとは


ATTは2021年4月より導入が開始され、ATTによりユーザーがアプリを利用する際に「ユーザーの行動をトラッキングしても良いか?」という旨のポップアップウィンドウが表示されるようになっています。


 


これまでは、このトラッキング行為がユーザーの許諾なしに行われており、そこから収集された行動ログを元にターゲティング広告が表示されていました。


また、トラッキングした情報を元にデータ解析を行っていた企業も少なくありません。


 


しかし、今後はこのトラッキング確認に対してユーザーが許可しなければ、企業はデータを取得できなくなります。


 


このようなITPやATTの導入およびアップデートは、これまで行っていた広告戦略が適用できなくなることを意味しており、これにより広告市場に関わる多くの企業に影響が出ているのです。


 


 


●3rd Party Cookie規制に伴う現状と影響


アップルのプライバシー規制強化の中で、最も大きな影響を与えたのは3rd Party Cookieの制限です。


多くの企業が3rd Party Cookieに依存したマーケティング戦略を取っていたことから、今後は大きく舵を切り直す必要があります。


 


具体的には「広告配信」と「効果測定」の2点です。


 


「広告配信」では、主にリターゲティング広告への影響が顕著で、多くの企業ではリターゲティング広告は3rd Party Cookieを使用し広告配信を行っていました。


しかし制限がかけられた今、これらの広告配信による効果は激減します。


 


「効果測定」においては、サイトのコンバージョンは3rd Party Cookieおよび1st Party Cookieを活用して計測されていました。


しかしCookieの制限により、収集できるデータの総数が減ることで正確な計測が困難になってきます。


 


このように3rd Party Cookieを活用し収益を得ていた企業は、軒並み広告売上高減少という大きなダメージを受けることになったのです。


 


 


webマーケティングはどう変わるのか?


ではプライバシー規制強化に伴い、webマーケティングは今後どのように方針転換を行っていくべきなのでしょうか。


いくつか考えられる可能性を挙げてみましょう。


 


 


1.オフライン回帰


収集したビッグデータによるオンラインでの広告戦略から、オフライン戦略へと部分的にシフトするという可能性があります。


 


すでに一部のD2Cブランドでは、集客戦略のひとつとして紙のダイレクトメールを追加する動きが出てきました。


コスト面からも大規模なオフライン回帰は難しいですが、ターゲットを絞り、コアなファンへ向けた選択肢のひとつとしては考えられるでしょう。


 


2.1st Party Cookieの活用


制限がかけられているとはいえ、現在取得できる「1st Party Cookie」、つまり自社を訪れたユーザーのデータを元に、自社LPページのブラッシュアップ等が必要になります。


 


広告からダイレクトにアクションさせることが難しくなるため、いかに自社LPページへユーザーを誘導するか、また閲覧したユーザーの離脱を減少させるかが重要です。


まずは自社で1st Party Cookieを取得できる状態にすること、そしてそれを活用しユーザーのペルソナ化およびカスタマージャーニーを作成し、そこから顧客をどう育成していけるかが今後の肝になってくるでしょう。


 


3.ゼロパーティデータへの移行


アップルのみならず、第三者が取得した3rd Party Cookieの活用は今後ほぼ不可能になります。


そして1st Party Cookieについても、今後規制が厳しくならないとも言えません。


 


その中で注目したいのが、ユーザーがデータ送信に許諾した「ゼロパーティデータ」です。


 


ゼロパーティデータを取得するためには、顧客からの協力が不可欠です。


そのため、今後は顧客とのエンゲージメントの構築がさらに重視されていくでしょう。


 


 


まとめ


プライバシー規制強化による影響は甚大です。


しかし、これはユーザー保護観点により実施されたものであり、今後もこの流れは強まって行くことが想像できます。


 


これまでの手法が使えなくなった今、webマーケティングをどう行っていくのかは、各社で今後の重要な論点になってくるでしょう。


 

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