コロナ禍でどう変わる?ギフト市場の現状と今後
コラム記事
2022/01/30

オリジナルのギフト商品をつくって販売したい、あるいは、企画開発する商品において、お祝いやお礼、感謝、挨拶、お詫び等ギフトとしてのニーズもあるでしょう。
コロナ禍でギフトの市場も大きな転換期を迎えています。市場の観点からどのような戦略を打つべきか、今後の見通しについてコロナ禍以前の状況もまじえながら解説します。
●ギフトの基本
ギフト市場を分析しやすくするため、まずは基本を押さえておきましょう。
ギフトは贈る主体によって、大きく以下のふたつに分類されます。
1.パーソナルギフト
贈る主体が個人であるギフトを、パーソナルギフトと呼びます。
大きく分けて以下の2種類があります。
<フォーマルギフト>
フォーマルギフトは慣習的な作法を受け継いだ、いわゆる熨斗をつけるようなギフトを指します。
例)
・お中元、お歳暮
・結婚出産、進学卒業、新築・引っ越しなどのお祝いや内祝い
・葬儀、法要の返礼など
<カジュアルギフト>
カジュアルギフトは、フォーマルギフト以外のギフトを幅広くいいます。
例)
・誕生日、結婚記念日、バレンタインやホワイトデー、クリスマス、母の日、父の日、敬老の日、ひなまつりや子どもの日などに贈るギフト
・人に会うときの手土産
・旅行、帰省、出張などのお土産
2.ビジネスギフト
ギフトを贈る主体が法人の場合は、ビジネスギフトと呼ばれます。
取引企業の間でお祝い、お礼や謝罪、お土産などを贈るときはもちろん、
・セールスプモーションとして消費者へ贈られるキャンペーン等の景品、ノベルティ
・従業員への福利厚生やインセンティブとして贈る品、記念品
などもビジネスギフトに含まれます。
●近年のギフト市場
矢野経済研究所が公表している国内ギフト市場規模の調査データによると、2019年は前年比100.9%の10兆6,917億円、2020年は同92.4%の9兆8,840億円(2021年1月時点の見込値)となっています。
コロナウィルス感染拡大の問題は、あらゆる市場に影響を及ぼしましたが、それ以前のトレンドも踏まえ、ギフト市場の特徴を把握しておきましょう。
1.カジュアルギフトが市場を牽引
近年のトレンドとして、儀礼的なフォーマルギフトが減少する一方、カジュアルギフトは好調に伸びており、その結果ギフト市場全体ではわずかに増加傾向にあります。
時代とともに生活スタイルや価値観が多様になったことで、フォーマルギフトを贈る習慣は薄れています。たとえば、若い人でお中元やお歳暮を贈る習慣がある人は稀でしょう。
しかし、かつてはフォーマルギフトを贈っていた場面で形式的ばらないギフトを贈ったり、ギフトを贈る機会が多様になったりと、カジュアルギフトの盛り上がりによって市場は牽引されています。
2.オンラインギフトの台頭
総務省の「通信利用動向調査」によると、スマートフォンは国内8割以上の世帯が保有しており、Webサイトで時間や場所にしばられることなく購入ができることから、ギフト市場でもオンライン化が進んでいます。
ギフトを選ぶ際、従来は百貨店や専門店、ショッピングモール、カタログが主要なチャネルでしたが、オンラインで利用ができるようになったことで、ECプラットフォームや個別のECサイトなど多岐にわたる選択肢が生まれました。
デジタルギフト・ソーシャルギフトと呼ばれる、スマートフォンからメールやSNSを利用してギフトを送るサービスも出てきました。「住所を知らない相手にギフトを贈ることができる」「送料がかからない」などのメリットがあります。
3.ギフト内容の多様化
ギフト内容もバリエーションが豊富になり、多様化が進んでいます。
カジュアルギフトなどをやりとりする機会が増えたことや、インターネットで情報を入手することが容易になったことから、消費者のリテラシーが以前より向上していることが考えられるでしょう。
カスタマイズが可能な商品や体験型ギフトなど、「贈られる人がもらって本当に嬉しいものを贈りたい」というニーズが高まっています。
●コロナ禍の影響と今後
ここからは、新型コロナウィルス感染症の拡大により、ギフト市場に起きた変化を見ていきましょう。
1.イベントギフトの低迷
人との接触機会を減らすことが求められたことにより、人が集まったり外出を伴ったりするイベントで利用されるギフトは、機会を喪失することとなりました。
具体的には
・冠婚葬祭に関連するギフト
・旅行のお土産
・訪問時の手土産
・イベントでの景品
などが該当するでしょう。
市場は大きな打撃を受けましたが、今後コロナ収束とともに、イベントの開催に支障がなくなることでニーズが回復する見通しです。長期的に市場を見れば、過度に悲観する必要はないと考えられます。
2.新たなニーズの発生
外出自粛により気軽に会えなくなったことで、ギフトをコミュニケーションの手段として利用するニーズが生まれました。この影響により、特にカジュアルギフト市場はコロナ禍においても好調でした。
また、高齢者をはじめとして、人と会うことが容易でなくなったかわりに、普段フォーマルギフトを贈らない層でも中元・歳暮を利用するケースが増え、「帰省暮」という言葉も生まれたほどです。
在宅の機会が増えることによって、自家用にギフト商品を購入して少し贅沢な気分を味わうといった目的も生じました。
3.オンラインギフトのメリットが拡大
感染症拡大防止を考慮し、オンラインでのギフト購入・受け渡しにおいて「非接触=感染防止対策になる」というメリットが加わりました。
ギフト市場のみでなく、消費行動全体にコロナ禍の影響による変化が見られ、総務省の「家計消費状況調査」によると、買いものにインターネットを利用する世帯の割合は2020年3月以降急速に伸びています。 EC領域ではプラットフォームなどを利用せず自ら開設したWebサイトを通じた販売が手軽になったことで、自ら企画生産した商品を直接消費者に販売するD2Cの動きが加速しています。
さらに、購入から受け渡しまでオンラインで完結できる、非接触型のソーシャルギフトやポイントギフトにも注目が集まっています。
●ギフト商品をつくるなら「よろづくり.com」
コロナ禍によって外出や人の集まりが制限されることで、ギフト市場に新しいニーズや、オンラインギフトの加速がもたらされる転換期が到来しています。
消費者にとって魅力的なギフト商品をつくるためには、受託製造を依頼するOEM企業を探すことから始まります。ものづくりのパートナーとなるOEM企業を一から探して商談をするのはとても時間と労力が必要になります。
OEM企業のマッチングに特化したプラットフォーム「よろづくり.com」では、細かい条件のマッチングから商談成立までをスピーディーに進めることが可能です。ぜひこの機会にプロフィールや希望条件を登録してみてはいかがでしょうか。
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